「日々の業務に追われて、本当にやりたい仕事に時間が割けない…」 多くのビジネスパーソンが抱えるこの悩みを、今話題の「生成AI」、特にChatGPTが解決してくれるかもしれません。
ChatGPTは、単なるチャット相手ではなく、あなたの仕事を劇的に効率化してくれる「超優秀なアシスタント」です。使いこなすのに、専門知識は必要ありません。
この記事では、前回までの「生成AIとは?」「ChatGPTの始め方」に続き、今日からすぐに実践できる具体的な「業務効率化・時短テクニック」を5つのシーンに分けてご紹介します。
1.【メール・文章作成】数分かかっていた作業を10秒で
毎日何度も行うメール作成は、AIによる時短効果が最も大きい業務の一つです。
活用シーン:取引先への丁寧な依頼メール
ゼロから文面を考えると、失礼がないか、内容は正しいかなど、意外と時間がかかります。ChatGPTに「下書き」を作ってもらいましょう。
▼ プロンプト例(指示文)
以下の要件で、取引先(A社の山田様)へのメール文面を作成してください。
用件:先日依頼したB案件の見積書について
依頼:提出期限を明後日(11/14)から今週末(11/17)に延期してほしい
理由:こちらの都合で仕様変更が発生したため
トーン:丁寧かつ謝罪の意を込めて
AIは即座に丁寧なビジネスメールを生成します。あなたは、その内容を確認し、微調整するだけで送信できます。お礼メールや日程調整メールなども同様に効率化できます。
2.【情報収集・要約】長い文章を読む時間を削減
業界の最新ニュースや、長い会議の議事録、競合他社のプレスリリースなど、すべてを読むのは大変です。AIに「重要なポイントだけ」を教えてもらいましょう。
活用シーン:Web記事や議事録のポイント把握
(※ChatGPTは機密情報を入力してはいけません。公開情報や、個人名などを削除した議事録で試してください。)
▼ プロンプト例(指示文)
以下の文章を、300文字程度で要約してください。また、重要なポイントを3つ箇条書きで抜き出してください。
(ここに要約したい記事のテキストや、議事録のテキストを貼り付ける)
数十分かかっていた内容把握が、わずか数分で完了します。情報収集のスピードが格段に上がります。
3.【アイデア出し】ブレストの「壁打ち」相手に
企画会議や新商品のアイデア出しで、良い案が浮かばないことはありませんか? ChatGPTは、あなたの「発想の種」を無限に提供してくれるパートナーになります。
活用シーン:新企画のキャッチコピー作成
▼ プロンプト例(指示文)
新しく発売する「ビジネスパーソン向けのAI活用オンライン講座」のキャッチコピーを10個考えてください。
ターゲット:30代〜40代の管理職
講座の強み:専門用語を使わず、明日から使える実践的な内容
訴求したいこと:生産性向上、ライバルとの差別化
AIが出した案がそのまま使えなくても問題ありません。その案をヒントに、「もっとこういう切り口は?」と対話を続けることで、アイデアが研ぎ澄まされていきます。
4.【資料作成】ゼロから作る手間をなくす
プレゼン資料や企画書作成で最も時間がかかるのが、「何をどの順番で書くか」という構成案の作成です。ここもAIに任せましょう。
活用シーン:プレゼン資料の構成案(目次)作成
▼ プロンプト例(指示文)
「社内向けDX推進の必要性」についてプレゼンを行います。説得力のあるプレゼン資料の構成案(目次)を作成してください。
目的:経営層にDXの重要性を理解してもらい、予算を獲得すること
時間:15分程度
AIが「現状の課題」「DXとは?」「導入メリット」「他社事例」「提案内容」「予算案」といった論理的な構成を提案してくれます。あなたは、その構成に沿って中身を肉付けしていくだけです。
5.【学習・翻訳】Excel関数や語学の先生に
「こんな時、Excelでどういう関数を使えばいいんだっけ?」と検索に時間をかける必要はありません。AIに直接聞きましょう。
活用シーン:Excel関数の作成
▼ プロンプト例(指示文)
Excelで、A列が「東京」で、かつB列が「100以上」の場合に、C列に「●」と表示するIF関数を教えて。
AIは具体的な関数(この場合は =IF(AND(A1=”東京”, B1>=100), “●”, “”) )と、その使い方の解説までしてくれます。海外との英文メールのやり取りや、プログラムコードの簡単なデバッグも同様に依頼できます。
時短の注意点:AIの回答を「鵜呑み」にしない
非常に便利なChatGPTですが、注意点もあります。
⚠️ AIは「平気でウソをつく」ことがあります
AIは学習したデータから「それらしい」回答を生成します。そのため、事実と異なる情報や、古い情報をもっともらしく回答することがあります(これをハルシネーションと呼びます)。
AIが生成した情報、特に「事実」や「数字」に関する部分は、必ず人間の目でファクトチェック(事実確認)をしてください。
まとめ:AIアシスタントを使いこなし、生産性を高めよう
今回ご紹介した5つのテクニックは、AI活用のほんの一例です。
生成AIは、私たちの仕事を奪うものではなく、面倒な作業を引き受けてくれる「賢いアシスタント」です。AIに任せられる作業はAIに任せ、人間は「考える」「判断する」「創造する」といった、より付加価値の高い仕事に集中する。
まずは、今日あなたが一番時間がかかっていると感じる業務(例えばメール返信)から、ChatGPTに手伝ってもらってみませんか?


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